東関脇・若の里忍。
青森県弘前市出身の、27歳。
現在三役連続在位11場所。
関脇連続在位4場所。
「現在、大関に最も近い男」と言われ続けながら、昇進を果たせずにいる。
相撲ファンを焦らしている関脇。
性格は、「気は優しくて力持ち」を絵に描いたような男。
その明るく優しい性格とは裏腹に、身に纏った分厚い筋肉の塊が、師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)を髣髴とさせる。
その「筋肉の塊」が、「蒼い狼」横綱朝青龍の連勝にストップをかけた。
横綱を攻略するには、立合いで組みとめて、まわしをつかんで、慎重に攻める―それしか手はないと言われていたが、それを見事に具現化したかたちだった。
解説の北の富士氏、花籠親方(元関脇太寿山)ともに若関の相撲を絶賛。
「若の里がこれ以外ない、という相撲を取った」
と。

実はここ数場所、朝青龍戦での若関は自分の体勢-右または左の四つ身になって上手まわしをつかむ-になりながら攻めきれずに負けていた。
そして、最後に朝青龍戦で白星を挙げてから早いもんですでに1年が経過していた…。
去年の九州、若関が絶不調だったあの場所で、朝青龍関(当時大関)が若関との一番に勝って初優勝を決めた。
今年初場所は、若関も好調だったが、朝青龍関を星ひとつの差で追っていたのに、朝青龍関に負けて、言わば自滅の形で優勝戦線から脱落した。
この初場所の黒星で、対戦成績で勝ち越され、この後春・夏場所と連敗し、かつてのライバル対決はやや色あせたものになってしまっていた。
若関は先場所10勝を挙げ、いよいよ、いや今度こそ大関候補として名乗りを上げるのか?!と期待が膨らんでいたのだが、序盤で取りこぼしもあってここまで7勝4敗。落とした4敗のうち2つが平幕相手と、課題克服にはまだいたっていないのかと周囲を落胆させかけていた。

そして迎えた今日の大一番…。
若関は立合いの踏み込みもよく、横綱の出足を封じると、すぐに左四つに組み、しかも右上手を引いた。結果的にこれが命綱になったわけだ。
横綱には上手を取らせない。
何度も痛い目に遭わされた足技もこらえて残す。
そして自分は慎重に攻め立てようとする。
横綱が自分不利の体勢から起死回生の巻き替えを狙うところ、若関がこらえて少し前に出る。
そのあと、若関が引きつけながら土俵際に横綱を追い詰め、最後西の土俵際で上手投げを打つと、横綱の体は裏返り土俵下へ落ちた。
実に6場所ぶりの朝青龍戦勝利を、ようやく手にした。
そして7年ぶりの全勝優勝の可能性をつぶした。
飛び交う座布団と、大歓声の国技館。
あたしも最初「勝った!」と絶叫したあと、座布団が舞ってるのを見てやっと勝利を確認したしだいで(笑)。
いやー若関得意の力相撲でした。
というか力勝負に持ち込まないと若関勝ち目ないし。
これまであたしの中の「若の里-朝青龍」でのベストな勝ちっぷりというのは、去年名古屋千秋楽で若関が左から豪快に突き落として朝青龍関(当時関脇)を宙に舞わせて土俵に背中からひっくり返した一番なのだけど。
今日のは去年名古屋を明らかにあたしん中で超えたな。
ビデオ、何度見てもニヤけます。
いつもは国技館内のヒキの映像で終わる大相撲中継が、若関の白星のリプレイ(しかも繰り返し!)で終わったことが、ものすごくうれしかったです…。

とはいいながら、小心者のワシは、「若関の足が土俵の外に踏み越したりしてないよね?」とちょっとだけ心配だったのだ。
もっとも、横綱の体も飛んでいたけど。
共同通信だっけ、フォトニュースで横綱の体が裏返った瞬間、若関の両足はしっかり徳俵の内側におさまっておりました。
よかった。ほっ。

だからといってあす負けたら何にもならんのだよ。
あすは栃乃洋戦。分はそんなに悪くはないけど、手ごわい相手だと思う。
14日目に誰が来るのか。これが一番ナゾで。
…光喜関じゃないかなと思うのだ。
ヤなんだよな。14日目の光喜関戦って。
勝った覚えあんまりないなー。去年名古屋も負けたし。
楽日ミヤビ関戦。これはたぶん確定。でも今場所のミヤビ関元気ないから油断しなければだいじょうぶだと思う。
…先場所ひどい負け方だったけど(独り言)
てなわけで、残りぜんぶ勝つと11勝4敗で場所を終える。
でも、最大の難関横綱戦を白星で抜けたからって気ゆるめるなよー。
取りこぼしが、このひとの最大の課題なのだから。
そして今から九州場所が楽しみになってるワシも、たぶん間違ってるし(苦笑)。
とにかく残り3番、全力投球。
今日のロボのインタビューじゃないけど(思い出し笑い)。
そうしたら来年年明け、そうじゃなくても春場所後、朗報が舞い込んでくる―かもしんない。
果報は寝て待て。

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横綱。
横綱としての自覚が出てきたのかな、という行動をちょっと見つけました。
負けたあと、土俵を降りるときに、ぴょこんと頭を下げたこと。
花道で表情を変えずに、下がりを放り投げたりせず、ちゃんと付け人に手渡ししたこと。
少しずつではあっても、横綱らしくなってはいる。
長い目で見よう。

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魁皇関、もう休め…。
大関のあんなみっともない姿、見たくないよ。
若関にも、万全のときの大関に勝ってほしかったよ…。
右腕ぜんぜん使えてない。
「取れないほどの痛みじゃないし」と大関はゆってるけど、だったら使えや…。
使えないんだろが…。
いくら大関でも左腕一本で勝てるほど現実は甘くない。
まして、明日千代大海戦、14日目栃東戦、楽日横綱戦の予定なのよ。

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